The Long Walk for BIG MOUNTAIN について


■行進の目的

  • 2000年2月1日までに強制立ち退きを迫られるビッグ・マウンテンのおばあさんたちに、私たちの思いを届け、彼女たちは決して孤独ではなく、民族を超えた多くの者たちが、大地に祈る伝統的な生き方を守る彼女たちの姿勢から学んでいることを知らせることにあります。この人たちこそ、英語も使わない、電気も水道もない、昔ながらの伝統的な生活をいまだに続けてる「最後の本当のインディアン」です。
  • また、世界中から多くの眼をビッグ・マウンテンに注ぎ、合衆国インディアン局や部族政府による不当な行いを思いとどまらせる目的があります。
  • 私たちには特別な祈りの言葉も魔法もありません。謙虚さと一歩一歩が、大地と人々への祈りとなります。

■行進の意味

メディシンマン、ウォーレス・ブラック・エルクは言いました。 「われわれは多数派である。なぜならば、四足の人と、翼の人と、地を這う人と、水を泳ぐ人と、緑の人を合わせれば、多数派だからだ。」もし、私たちそれぞれの祈りが大地とともにあるならば、生き物も共鳴し、岩石も共鳴するでしょう。人もやはり大地から生まれたし、火、石、水、緑という同じものから造られているのだから、どんな人の心にも通 じるはず。それを信じて、歩こう。


いきさつ

 1999年11月21日、12年ぶりに飛騨を訪れたディネのバヒ・キャダニーと、私たちは熱い再会を果 たした。ビッグマウンテンの闘いは、ついにディネの数人の長老を残すのみとなったが、「偉大なサイクルの終わる日」は、12年間も引き延ばされて、未だ到来していない。しかし政府は2000年2月1日をもって、強制執行の最後通 告としてきた。

 偉大なサイクルの終わりに向けて、私たちに何ができるのか?「せめてディネの残る長老たちに、我々の尊敬と祈りの気持ちを、紙切れでなく生身で伝えたい!」という素朴な発想が、私たちをして旅人の原点に還した。「では、歩こうか!」と誰かが言い、「うん、歩こう!」と皆が言った。そこでバヒが「歩くなら、位 山からだ」と要望した。

 間もなく深い雪に閉ざされる位山へは、12月5日に有志たちと参拝して、ビッグマウンテンへの行進の無事と、ゴールでの熱い出会いを祈願し、ロードプランの実現に向けて、改めてホピの最長老、故デビッド・マニャンギの言葉を噛みしめるのだった。

 「グレイト・スピリットはこう言われた。『それは困難なことかも知れないが、勇気をもってやるがよい』と。わしらはこれまで従って来たグレイト・スピリットの計画、わしらの言うロードプランの最終段階に、今現在さしかかっているのではないかと思う。心をひとつにして、けして諦めることなく、わしらに与えられた使命を果 たすしか、残された道はない」。
IN THE SPIRIT OF SUKUNA (飛騨高山在住、位山の守り人ポン 山田塊也)