1/13(木)くもりのち雨
昨晩降った雪も大して積もらず、朝には溶けていてひと安心。ただ、昨晩ついに持ち歩いていたマッキントッシュのノートパソコンPower
Book 5300csが壊れてしまった。液晶蓋の背部接合部分が浮いてきていたのがひどくなり、ついに起動しなくなってしまった。浮いた隙間から中が見えるのだが、ネジが外れている。どうやらこの5300特有の故障らしい。開閉部分の破損事故が多いらしいのだ。いずれにせよ、全くのお手上げ状態。早速、東京でヴァーチャル事務局をやってくれている吉田君に連絡し、ホームページ上に断り文を入れてもらった。先日から東京事務局の星川まりちゃんのメールは壊れたままだし、永井のPDAも突如動かなくなってしまったし、一体全体どういうことなんだろう? 何か深い意味でもあるのだろうか? 使っていたものが使えなくなると、とっても不便極まりない。特にバヒからアメリカでの動きについて逐次メールが入っていたため、この確認が出来ないことが痛い。やっぱ、機械に頼らず大昔の人みたいにテレパシーを使え、ってか?!
歩こうの会の方々と共に
朝は29人でサークルをつくり出発。知る人ぞ知る名物ヒッピーのとろんも一日だけ合流した。「そば処なかしま」で休憩をとり、昼食はアーチストのお月さん(男性です)宅で頂く。前庭には大勢地元の人達が集まっていて、山梨放送の今日の夕方のニュースの取材も入り、みんなで賑やかに炊き出しの美味しい雑穀おにぎりやほうとう、おでんなどを口にほおばった。
このところ、自主的に断食を始めるウォーカーが増えてきた。その大半が20代で、ほとんどが初めての経験、しかも4日間通
している。インディアンのセレモニーでは、ビジョンクエストにしろ、サンダンスにしろ、4日間断食をしながら行うものが多い。僕は断食は、身を清め、心を研ぎすまし、欲望への執着を手放し、深い祈りに入ることができる、とても有効な方法だと思っている。それにしても誰も強要していないのに、連日毎食の美味しい臭いをもろともせず、生まれて初めての断食を続ける、彼ら彼女ら。なんだかスゴイことになってきた。
お月さんの家は、これまた素晴らしい、古い農家に自分で手を加えた、アーチスティックな愛らしい家だった。天井に大きなガラスをはめ込んだサンルームや、静かで澄み渡ったまるで教会の中の様な空気のギャラリースペースをはじめ、リビングからトイレ、庭の隅々に至るまで気が行き届き、たっぷりとお月さんワールドを垣間みさせてもらった。特に女性はインテリアの工夫という点でも参考になったのではないだろうか。
午後からは地元の歩こう会の方々も12名加わって、総勢69名に膨らんで出発する。途中から雨が降り始めたが、どしゃぶりにもならず、今日の宿泊場所となる三井さん宅に着いた。今日の歩行距離は約23kmだった。三井さんは、一切土を耕さず、草もむしらず、農薬も肥料も与えない、川口さん式の自然農法でお米づくりをしている、この土地で代々農家を営んできた家に生まれたお百姓さんだ。三井さんの田圃で休憩した際、噂には聞いていたものの、その地面
のフカフカさに驚いてしまった。
夜、突然の来客があった。早川さんといい、地元で学校の先生をやっているという。彼は今日急遽、この三井さん宅に宿泊場所が変更されたにも関わらず、スムーズに人に案内され、飛び込みでやって来た。インターネットでウォークのことを知り、ぜひ伝えたいことがあるからと。
彼は、僕達が子供のドラゴンであり、四方のスピリットや関わってきた多くの人の想いと共に成長し続けており、この虹のドラゴン(エネルギー体)がホピへ向かうことに、とても重要な意味が隠されていると語った。
ここ甲府盆地は交(かい)の国であり、東に金峰山、南に富士山、西に甲斐駒ヶ岳を望むが、北にある八ヶ岳がこの3つの聖山をつないでいる。そしてこの八ヶ岳に先住民の神々が、ヤマタノオロチが閉じこめられている。諏訪大社の御柱は、封印された先住民の神々の臨戦体制の結界である…。虹が日本からホピに架かり、ぐるりと地球を一周して戻ってきた時に、時代は変わる。これはホピの予言にあるユニバーサルプランである…。
TV取材
彼はたて続けに我々が歩いてきた道のりを、一つのストーリーで読み解いていった。何だか煙に巻かれている気分ではあったが、彼の話ぶりを見ていてもオカルトな狂信者が放つ独特な臭いは感じさせなかった。
ウォークは四方のスピリット、大地、大いなる神秘、そしてつながる全ての命を敬い、調和を持って、謙虚に、流れに逆らうことなく歩み続けてきた。だからこそ、起きていることは全て必然だと思うし、偶然を超えたタイミングの良さ=シンクロニシティは日常茶飯事というか全てがスムーズに流れているし、森羅万象に味方され導かれているとすら感じてしまう。普通
、このような状態に入っていると、神様トリップしたり、パワートリップしたりする者が、ウォーカーの中から何人も出てもおかしくないと思うのだが、そんな人はまだ出て来ていない。かくいう僕はといえば、そこに意味を見出したくてつい読み取り作業に入りがちだったが、それは早川さんのようなまわりの人にお任せすべきだと改めて思った。
歩く者達がある一つのストーリーラインだけを意識し、そのストーリーを成就させるために行動してしまうと、きっとサリンを地下鉄にばらまいたり、集団自殺するようなカルト集団と同じ落とし穴に陥ってしまうだろう。我々ウォーカーは、行動する戦士達は、ただ前を向いて、一歩一歩を歩いて行くだけである。考えすぎず、答えを求めすぎず、バランスを保って、目の前に開いている道を歩むことからしか、次の歩むべき道は見えてこないだろう。
僕達はバーチャルな虹の戦士ではない。リアリティの中を歩く、聖なる野蛮人であり続けたい。
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