1月1日(元旦)曇り
朝5:00起床。朝方の冷え込みはハンパじゃなく寒い。道路は結露し、川は所々凍っている。朝食とパッキングをバタバタと済ませ、出発点となる位
山山麓にあるモンデウス・スキー場の分水嶺前に、6:30近くに集合する。ここ位
山から日本海に向かって神通川、太平洋に向かって飛騨川が流れており、川の起点となる重要な場所である。また先住民が太陽を祀った重要な聖地でもあり、ウォークの出発点としては相応しいことこの上ない。
集まった50人余りでサークルをつくり、ちょうど日の出の時刻に当たる7:00頃よりサンライズ・セレモニーを開始する。神戸元気村の代表の山田バウさんの紹介で、中京テレビの報道カメラも入る。残念ながら太陽は拝めなかったものの、セレモニーの始まりを待っていたかのように、小雪がぱらつきはじめた。浄化と祝福の雪であろうか。
セージの煙を一人一人がいただきスマッジしている中、日橋みゆきさんの歌うインディアン・ソングで口火を切り、続いて大鹿村の河本カズさんがインディアンの古い祈りの歌を捧げ、一カ月にわたるウォークのスタートを迎えるセレモニーは始まった。まずウォークの先頭を歩く故・日橋さんのピースパイプに、パイプローディングソングに合わせて祈りと共にタバコが詰められ、セージで(タバコが詰められた)ボウルに蓋をした。このパイプは、今日より一カ月の間、ビッグマウンテンまでウォークを導いてくれる、皆の祈りとグレートスピリットとを結ぶパイプである。そしてビッグマウンテンに無事着いてから、現地のエルダー達と共に回し吸われることになる、ウォーク中最も大切な聖なるものである。
パイプローディングに続き、ディネ民族のティム、地元高山の長老ポンさんが皆を代表して祈りを捧げた後、いよいよウォーカーは列をつくってスタートした。最初の一歩は、酸素吸入器片手のポンさんと、杖をついた大鹿村のアキさんという、二人の敬愛すべきエルダー(長老)だった。
ポンさんはこのウォークのために、手描きで2m四方のフラッグを用意してくれた。真ん中にメディスンホイール、その中心にクロスする二本のピースパイプ、文字部分に蛍光塗料をさりげなくあしらった、ちょっとサイケデリックなポンさんらしい作品。病気を押して駆けつけてくれたポンさんからの、なんともありがたいプレゼントである。このフラッグと、日橋さんのパイプと、405個の祈りのタバコタイズと日橋さんのスポテッドイーグルのフェザーが巻き付けられたスタッフを持って、まずA.I.M.ソングを皮切りに、高らかに歌いながら、ウォークはビッグマウンテンまでの長い道のりを歩き始めた。
残念なことに、ポンさんは体調不良を押してのスタート参加だったのだが、やはり寒空の下は病人には相当こたえたらしく、ウォークを見送った後、病院に向ったところ、集中治療室に入って入院することとなった。夕方、再び病院に行ったアキさんの話では、その後は病状も落ちついているとのこと。この日のウォークは、一歩一歩、ポンさんの回復を皆で祈り歩くものとなった。
7:00過ぎに高山を出発したウォークは、飛騨川とJR高山線沿いに道を下り、久々野を抜けて、小坂町までの約23キロを、予想以上のハイペースで歩いた。今日の終点に到着したのは15:30頃。元旦の高山の旧街道沿いを、インディアンのドラムと祈りの歌が、団扇太鼓と南無妙法蓮華経のチャンティングが、鳴り響いて行った。
新しい千年紀を道の上で、祈りの中で迎えることができ、一歩一歩歩いて行ける幸せに、この美しいスタートに感謝します。
IN BEAUTY,WE WALK. IN BEAUTY,WE WALK. HOKKA HEY!
[文責:あきお]
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