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チーフ・クロウ・ドッグからのお願い

私たちは現在では多種多様な言語をもち、価値観も異っています。
けれども、みな太古の昔から今へと続く道を歩いてきたのです。
今こそ世界各地に住むあらゆる民族、人々が尊んできた生き方を
結びつけ、互いの存在を理解し、心を高めあう時なのです。
そして各民族に古くから伝わる教えや、夢を通じて語られる
ヴィジョンをこの宇宙へのメッセージとして届けるのです。

いまアメリカ合衆国では私たちの多くの友人、仲間たちが
連邦・州及び居留地で刑務所に入れられています。
そこで強制的に長い髪を切られるという事態が起こっています。
なぜ又、今になってこんな問題が起きてきたのでしょうか?
1924年6月24日、私たちは正式にアメリカ合衆国市民と認められました。
しかし、私たちが真のインディアンであるためには、伝統を受け継いだ
人々の中で育ち、そこから教えや慣習などを学ぶ必要があるのです。
伝統的には、私たちの多くは長い髪をしていました。
クリエイター(創造主)は、私たちに一つのヘアースタイルを与えたのです。
床屋も髪を切るためのハサミも、私たちの前に置かれたことはありません。
クリエイターは長い髪を持つものがこの宇宙を世話することになるのだと
知っているからです。
今その長髪が切られようとしています。
刑務所の中にいる人々に起きていることは、私たち全てに影響を及ぼします。
そして遅かれ早かれ、私たちの髪はみな切られることになるでしょう。
伝統が断ち切られてしまうのです。
私はレナード・クロウドック。チーフ(酋長)として選ばれたものです。
私は今、すべての縁ある人々に、刑務所に入れられている友人たち、
そして世界中の政治的理由で拘束されている人々の為に、多くの支援を
お願いします。
国会議員や国連の委員会などに支援を求めて下さい。
そしてなぜ又インディアンの髪を切りたいのかと尋ねて下さい。
こんな状況をだまって見過ごすわけにはいかないからです。
この問題に関する私の声名文にはこう記されることになるでしょう。
『・・・・・これは人として生きる道を奪うこと(人権侵害)です。
この人々は自分自身の髪の面倒をみるでしょう。
彼等はクリエイターが授けた知恵を持ち、その教えによって生きる人々です。
彼等はその生き方を変えることはありません。』と
あなた達はどのような法によって生きているのですか。
私達はこの宇宙の大いなる法を生きるものです。
そして、たとえ有罪となって刑務所の中にあっても自分達の生き方を
守り、長い髪を持つ権利があると信じます。
クリエイターが私たちにそうあることを、望んでいるからです。
すべての縁ある人々、皆様に支援をお願いします。
あなたたちのとらわれのない知識と、
自由意志、何が正しくて何が間違っているのかを判断する自らの裁量によって。
私たちはアメリカの服を着ることを受け入れています。
それは伝統的なものではありません。時代がここまで来てしまった以上、
私たちに起きているあらゆることに同意します。
しかし髪だけは、私たちの望むままにさせてほしいのです。

縁あるすべて の人々に

1998年10月 日本にて


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